関東の雄・小田原北条氏の本拠であり、城下町をぐるりと覆った「総構え」で有名な戦国最大級の巨城小田原城の情報をお届けします。
小田原城ってどんなお城?
小田原城の特徴
小田原城といえば「総構え」が有名ですが、西は天下の険箱根の山がそびえ立ち南には相模湾があるなど天然の要塞であり、交通の要衝でもある東海道に面しています。江戸期には関東の防御の要として関東地方には珍しい総石垣作りの城でもあります。
ここで、小田原城の最大の特徴である「総構え」について解説したいと思います。ここでいう総構えとは、北条氏によって小田原城だけでなく、城下町をも囲う全長9kmにも及ぶ堀と土塁によって築かれた防衛線です。現在の地図で見ると北は大雄山線の井細田駅・東は新玉小学校・西は関東学院小田原キャンパス手前までとかなり大きいことがわかります。
小田原城の歴史
概要
そんな小田原城ですがどんな歴史があるのでしょうか?簡単にですがご紹介したいと思います。
小田原城は北条氏が治める前は大森氏によって治められているお城でした。(実は平安期からありますが割愛します)その後北条早雲(初代)が大森氏から小田原城を奪ったのは、1495年から遅くとも1501年と考えられています。実際に小田原城を拠点にしたのは息子の北条氏綱(2代)とされ、以後豊臣秀吉による小田原征伐時の当主・北条氏直(5代)まで約100年もの間、南関東の中心地として存在していました。
主な城主
北条氏・北条早雲(初代・伊勢盛時)→北条氏綱(2代)→北条氏康(3代)→北条氏政(4代)→北条氏直(5代・最後の小田原北条氏)
北条氏以後・大久保忠世(徳川十六神将の一人)→大久保忠隣(相模小田原藩・初代)→阿部氏→稲葉正勝(徳川家光の乳母・春日局の子)→稲葉氏→大久保氏(以後明治まで10代続く)
有名な戦いはあるの?
無敵の城とも言われる小田原城ですが、なぜそう呼ばれるのでしょうか?そこで、そう呼ばれる理由を解説いたします。
1561年戦国最強とも言われる越後の龍・上杉謙信が越後より侵攻し北条方の小田原城を含む諸城へ約10万の兵で包囲した。しかし1か月経っても籠城に徹した小田原城を落とすことが出来ず、兵糧の問題や諸将の足並みのもつれから軍を引き越後へと戻ったとされています。
さらに、1568年には北条氏が甲相同盟を破棄し越相同盟を結び武田家に対抗したため翌年甲斐より武田信玄が侵攻、小田原城を包囲する示威活動を行っています。ただこの行為は本格的な攻撃ではなく、あくまでも示威行為に過ぎなかったようです。
最後にご紹介するのは、戦国最後の大戦・小田原の役です。豊臣秀吉の天下統一最後の仕上げで有名ですね。この時豊臣軍は各地の大名を呼びその数約21万、対する北条軍は5万6千と圧倒的兵力差があり、支城が各個落とされます。しかし小田原城自体は開戦から4か月落城することはなく、最後は降伏開城となりました。結局北条氏が滅亡するまで一度も落城することなく平和な時代へとなっていきました。
現在の小田原城
小田原城址公園
現在の小田原城は城址公園として本丸を中心に整備されています。桜の季節には多くの観光客であふれる名所としても有名です。また二の丸広場では、季節ごとに多くのイベントが開催されています。
復興天守閣では、内部が歴史を伝える資料館となっており、最上階からは相模湾が見渡せるなど小田原のシンボルとして存在感をみせています。夜になるとライトアップもされ、より雄大な姿をみせてくれています。
また城址公園内には、小田原の忍者である「風魔党」をモチーフにした体験型施設「小田原城NINJA館」、豆汽車やバッテリーで動く乗り物などノスタルジックさをも感じさせる「こども遊園地」、本丸には猿の展示(もちろん生きてます)があります。
遺構や復元物は?
城址公園内でみられる遺構はあまり多くないですが、崩れた石垣や空堀とみられる遺構が残っています。また近年の発掘調査により御用米曲輪にて戦国期の庭園跡が発見されるなどまだまだ全体像がハッキリしていない為、今後も遺構が発見されるかもしれません。
他にも、城内には常盤木門・銅門・馬出門の3つの門が復元されています。なかでも常盤木門では内部を「常盤木門SAMURAI館」として武具の展示・プロジェクションマッピングを楽しめる施設となっています。
施設利用情報
城址公園
公園内であれば、24時間開放されていますので早朝の散歩など好きな時に行くことができます。
天守閣
開館時間 9:00~17:00まで(入館は16:30まで)
休館日 12月第2水曜日・12月31日・1月1日
入館料 天守閣単独 一般510円 小中学生200円 2館共通券 一般610円 小中学生220円
常盤木門SAMURAI館
開館時間 9:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日 12月31日・1月1日
入館料 天守閣単独 一般200円 小中学生60円 2館共通券 一般610円 小中学生220円
小田原城NINJA館
開館時間 9:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日 12月31日・1月1日
入館料 大人 310円 小中学生 100円
アクセス
電車
小田原駅から徒歩10分
小田原駅には小田急線・東海道線・東海道新幹線・大雄山線・箱根鉄道が乗り入れていますので、電車でのアクセスは良好と言っていいでしょう。
箱根への旅行や熱海・湯河原方面へのプチ旅行の際にフラっと寄ることができます。
車
小田原厚木道路「荻窪インター」から10分
西湘バイパス「小田原インター」から5分
東名高速道路「大井松田インター」から40分
名古屋方面から行くと、東名高速しかなく少し遠い印象です。しかし道路自体はあまり右左折がないので苦にはならないでしょう。
逆に東京方面からですと選べる道路が多いので車の利用はしやすいですが道中に渋滞頻発箇所が…(東名高速道路や国道1号線など)
駐車場
車で訪れる方が一番気になるのは、駐車場の有無かとおもいます。
残念ながら、小田原城址公園には無料の乗用車用駐車場はありません。近隣の駐車場を利用しましょう。
有料の近隣駐車場自体は数が多いですので、停められない心配はそこまで気にしなくても平気です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
関東の雄・北条氏が本拠とした小田原城を解説いたしました。アクセスも良く首都圏からの観光に丁度いい歴史あるお城でした。
近隣には、豊臣秀吉の石垣山一夜城(行くのは苦労しますが本当に目の前です)や総構の遺構が残っていますので一緒に周るのがおススメ。
自身もとても好きなお城なので情報を簡潔にするのが難しかったですがこの巨城の魅力が少しでも伝わればと思います。最後までお読みいただきありがとうございました。
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